2021年01月04日
〇.独り言:19
〇.独り言:19
☆「とんでもない事になった」。
一日の世話に疲れ果て、崩れ始めた私達の生活。私のこれからの人生を思うと、「とんでもない事になった」、と思った事が何度あった事か・。覚悟はあっても、じわじわと堪えてくるのです。
歩けない母親を蔑んだ事もあります。「どうしたお袋!」、と母を責める心。「認知が言わせる言葉じゃないか。それが老いさ、俺もやがては母の気持ちも分かるさ」、と母を護る心。私の心の中ではいつも二つの人格が闘い、思案続きの日々に過呼吸症気味になっては息苦しくなる夜が何度もありました。
母もそんな私の表情を読み取るのでしょうか、「私は佐世保に帰るよ、大和町に帰りたい。それが駄目なら・いっそ殺しておくれ」、と叫びます。それは悲痛なくらいの表情で叫ぶのです。
母も悔しかったのだと思います。思うようにならない自分の身体と監視される辛さ。「こんなはずじゃない・」、という思い。「お願い、助けておくれ」、と言ってしまう自分。「いつの間に、私は・・」、と昔を振返ろうとしても思い出せない中抜けの記憶。
母はこの3~10年の自分の暮らしを断片的にしか振返れません。母が思い出す事の多くは50~80年前の事ばかりでした。しかし、母の思いは思いとして、現実には母には独居など到底無理。「ああ、姉や兄も母のこうした姿を見て途方に暮れていたんだ」、と実感させられたのでした。でも、私は負けない。自分から望んだ母との同居です。
Posted by 濱野裕生 at 16:17│Comments(0)
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