〇.独り言:28

濱野裕生

2021年01月06日 14:58

〇.独り言:28

★:妹思いのミツ姉さん

 父没後、64歳の若さで独居を始めた母。11歳も上の夫に傅いて生きてきた母ですから、ある意味で父没後の母は誰気兼ねすることなく気楽な暮らしに浸ることができる訳です。でも、その独居中の母には様々な災いも降り懸かります。

ライ母ちゃまが腎臓で亡くなったように、我が母ツヤさんも若い頃から心臓を始めとする循環系の疾患に悩んでいました。70歳代中頃には高血圧故の突然の眼底出血とその出血を止める手術で左片眼の視力を失い、更に痔の手術も。

でも、母は自分一人で病院を訪ねては手術&入院と真に気丈夫な人だったんだなァ・と改めて思わされます。なんと、母はレザー手術で片眼になってしまった後でさえ読経を続けていたんです。

 その独居中の母を心配したのがミツ姉しゃま。平戸島からは4歳上のミツ姉しゃまが1回の訪問で2週間~3ヶ月という長期の滞在期間で佐世保へやって来ては母の傍に付き添うようになるのです。

 こうして、年のうちの半年間はミツ姉さんと我が母ツヤと同居をするようになるのですが、こうした仲むつまじい姉妹の姿が4年程は続いたんでしょうか?。やがて、このミツ姉さんにも激しく老いが襲い掛かるようになり、そのミツ姉しゃまとの暮らしも終焉を迎えます。

妹が心配で平戸島から佐世保へやって来るだけで姉ミツさんの体力が無くなってしまうのか、ミツ姉さんはうたた寝ばかり・。
「姉しゃま、ミツさん!。どうしなさったんですか?」、と母。
ミツ姉さんは「・・・」。

ミツ姉さんは妹のツヤの傍でウトウトと日長、居眠りばかり・。ツヤさんはミツ姉さんの体調が気になって仕方がありません。 多分、我が身が弱りゆくのを自覚しながらもミツさんは我が妹のことが気になっては平戸島からヨロヨロとふらつきながらも訪ねて来ていたのでしょう・。

「ミツ姉さんの様子が変よ」、という母からの連絡で迎えに来た息子(私の従兄)のヒロシさんと共に平戸島へ戻ったミツ姉さんはこの数年後に世を去るのですが、我が母とは4歳違いの姉でした。

ある意味、ミツさんは妹のツヤさんに老いの姿を教えに来ていたのかも知れません。丁度、今の私が母から老いの姿をみせて貰っているように・。

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